河内遙さんの連載作品「涙雨とセレナーデ」の最新話が読めるKissは、毎月25日に発売です
同時配信の電子版が便利でオススメ!
もくじ
66話 13巻 EKiss 2024年12月号
出版社 講談社/2024年10月25日 発売
妖狐×僕SS / 1巻 -今だけ無料-
2022年7月28日まで
『時間は重みだ』
『僕は そう思う』
『僕には悪癖がある。』
「妖館って知ってる? あそこに新しい入居者ですって」
「SS(シークレットサービス)付きのセレブマンション?」
「え あそこって変人ばかりの屋形じゃないの?」
「うそ おばけ屋敷って聞いたけど?」
『幼い頃からのもので 自分では制御できない』
「ほら あの子よ 引っこし屋さんが言うには どこかのお嬢様ですって」
「へー」
「いや 注目の的ですねー」
「はっ 暇な主婦に注目されて嬉しいか?」
「井戸端会議の議題になるのは ごめんだ さっさと仕事をしてもらおうか。」
『無駄に虚勢をはって 悪態をついてしまう』
『これが僕の悪癖。』
「妖館って知ってるか? あそこに新しい入居者だって」
「どこぞの旧家のお嬢様らしいよ」
「ああ あの大財閥 白鬼院()家のだろ?」
「そーとー性格キツいらしいね」
「でも すんごい落ちこんでるね」
「ホントだ」
「お―― りりちよ。着いてたのか」
「何だ反ノ塚(そりのづか)か ふん 久しぶりだな」
「あれ 今 落ちこんでなかった?」
「あいかわらずだな またムダに悪態ついて自己嫌悪してんの?」
「荷物運び手伝いに来てやったぜー」
「ふん 結構だ それと知った風な口を聞かないでもらおうか 僕と君はただ実家が近所というだけの間柄だろう?」
「え―――?」
「でも色々知ってるぜ 小6の時」
〔凛々蝶(りりちよ)ちゃん ゴハン一緒に食べよー〕
〔はっ 群れるのが好きだな〕
「って断っておきながら その後泣きながら」
「ちっ 違う!!」
「あれはただのアレルギー性鼻炎だ!!」
「他にもさー ガキの頃 ケンカした後なんかは必ず」
〔おぉう〕
「ものっそい丁寧な謝罪文が…」
「ちっ 違う!!」
「あれはただの字の練習だ!!」
『ここは通称「妖館」 正式名はメゾン・ド・章樫(あやかし)』
「てゆーか 荷物そんだけ?」
「業者に頼んだ。 ムダな心配だな。」
『一世帯につき一人のSS(シークレットサービス)が付く最強のセキュリティーを誇る 最高級マンション』
『ここは厳しい審査をクリアした 選ばれた人間しか入れない その内容は 高額な家賃を払う能力・家柄・経歴』
『と いうのが表向きの条件。』
『別に僕自身は このマンションに特別こだわってはいないし SSも断った』
「俺 SSって最初 エロいサービスかと思ってたんだよねー」
「はっ 広辞苑にも のってるぞ?」
『ちなみにSSとは ボディーガードの事である』
『何であれ 僕は一人で居ると決めた その為に家を出たんだ』
「俺 3号室だから やっぱ手伝って♡って時は声かけろよー」
「ふん わざわざ ご足労どうもだな」
(4号室)
(ここか…)
《ぐ…》
「ん…」
「んっ」
「ぐ…っ」
《ふわ…》
「!」
(ここの住人?)
「…フン ありがとうと言うべきか」
「いいえ」
「そのような勿体ないお言葉は不要でございます」
「お会いできる日を心待ちにしておりました」
「凛々蝶さま…」
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