七つ屋 志のぶの宝石匣　最新話 / 75話

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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「お前もいい加減 オトコ見つけろよ」

「じゃ 帰ります」

『―――私が』

『この男 市川一哉の前で 強がらずに素直になれるのは』

『抱かれているときだけだ』

「送ってやりたいけど 今日はこのあと接待だからな」

「ご馳走さまでした」

『彼女と会うなら 会うって言えば？』

『私達の関係は すこぶる ややこしい』

『職場の先輩である 市川一哉(イチさん)には　　取引先に年上の彼女がいる』

『私はただの後輩で カラダだけの関係』

『―――悔しい』

『あんな男』

『いくらでも代わりはいるはずなのに』

『成田美紗緒 今年２３歳――』

『あ――… また』

『今夜も ひとり』

『イチさんとの出会いは――春』

『大学卒業後 内定の出た会社で』

『一週間の新人研修』

「あぁ…　　わかった ――切るぞ」

キロ

「市川です」

「じゃ 行こうか」

くい

『うわ ―――感じわる』

（昨日までの研修監達はニコニコしてたのに……　　かなりの役職者なのかな…？）

『そんな事はなく』

『ただの無愛想だった（年齢もひとつしか違わない）』

〈リ　リ リ〉

『私はイチさんのいる営業六課の事務に配属され　　季節は――夏』

「お電話ありがとうございます　　東洋コーポレーションです」

〔ケホ〕

「風邪ですか？」

ニヤ

「お前 結構 気が利くじゃん」

へら

『まぁね』

〈プル〉

（内線）

「お疲れ様です 成田で……」

《成ちゃんさ まだ終わんないの～ ね～ 今日こそ飲み行こうよ～》

『ああ いつもの営業三課・大柳』

「今日はぁ まだまだ かえれなくってぇ～」

《えー またぁ！？　　俺 もう成ちゃん以外のとこ行っちゃうよ？》

『何処にでも好きな所へ さっさと行け』

「またそんなことばっかりぃ？　　すいませんん」

カチャ

「…キモチわる」

「俺 そーいうバカっぽいの無理～…」

『バカで結構』

（その感じ悪さこそムリ）

『仕事をスムーズに進められるなら　　自分の評価なんて なんでもいい』

『あんた達(会社の人)とまともに向き合う気なんてない』

「成田さん」

『ただし』

『上条さんは別！！！』

『研修二日目担当として やって来た彼に　　その場で一目惚れした』

『同じ課に配属されたのは運命！！』

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