志村貴子さんの連載作品「おとなになっても」の最新話が読める Kiss は、毎月25日 に発売です
同時配信の電子版が 便利でオススメ!
もくじ
最終話 10巻 EKiss 2023年10月号
出版社 講談社/2023年8月24日 発売
49話 10巻 EKiss 2023年9月号
出版社 講談社/2023年7月25日 発売
48話 10巻 EKiss 2023年8月号
出版社 講談社/2023年6月23日 発売
47話 10巻 EKiss 2023年7月号
出版社 講談社/2023年5月25日 発売
46話 10巻 EKiss 2023年6月号
出版社 講談社/2023年4月25日 発売
吸血鬼と愉快な仲間たち 2022年7月11日まで1巻まるまる無料
『飢えても死なない』
『分かっているけど苦しい』
『この苦しい感覚は 永遠に僕を苦しめる』
『ゴミのように汚らしい生活』
『慣れるのではなく 慣らされていく』
『人との関わりは なくなっていく』
『色々な感覚が いい具合に麻痺しかけてきたのに』
『どうして こんなアジアの最果ての地で』
『追いうちをかけるように 責められないといけないんだろう』
「あら」
《ここ》
《赤丸精肉工場の輸入牛肉の解凍庫で》
《北原鹿代は》
《これを どうしようか悩んでいた》
《―――というのも 数年前も輸入冷凍牛肉のダンボールに冷凍ネズミが入っていて 大騒ぎになったのだ》
《輸入先の会社にクレームを入れるが》
〔知らぬ存ぜぬ〕
《の一方で》
《結局ネズミをみつけた鹿代が》
《悪者みたいに 上司に叱られた》
(ああ でも 肉にネズミが交じってるとなったら全品再検査 今日の材料は全て廃棄!!)
《そして》
『また私が責められるのかしら』
『混乱しながらも あれこれと思案する鹿代』
(ちょっと待って この足 ヘンじゃない? 鉤爪だし… よく見たら 羽みたいのもついてる)
〈ピンッ〉
『蝙蝠!!』
『これって蝙蝠なんじゃないかしら』
(蝙蝠なら残飯なんて食べないだろうし どっちかっていうと 鳥みたいなもんだから ネズミより ずっとキレイよ)
《鹿代は》
(それに うちの商品 加熱ハンバーグだから)
〈ホッ〉
《出口を見つけた》
(きっと牛肉にまじって アメリカから はるばる来たのね)
〔チャ〕
『それにしても 自分も冷凍されるなんて』
『随分マヌケなんじゃない?』
〈ぽおい〉
《そして》
《そして…》
〈ガシャーン!!〉
「は」
『ここは…どこだ?』
(トイレ…?)
〈ブルッ〉
『えっと… 牛肉の匂いはするけど』
『香辛料や消毒薬が強い』
『「ジャンの精肉工場」は もっと肉と血の匂いがする』
「………」
《アルベルト・アーヴィングは》
《悩んでいた》
《服もなく そして》
《腹が減っていることを》
〈のそり〉
(それにしても…)
(散々な目にあった…)
《アルベルトことアルが 住処にしていた「ジャンの精肉工場」は》
《生活していくのに都合がいい場所だった》
《人間の姿の時は 朽ちかけたボート小屋に身をおき》
《と畜の始まる日中 蝙蝠に変わり 精肉工場へと向かう》
《牛の と畜時の放血》
《アルは それを食事にしていた》
《勿論 いつも上手くありつけるとは限らない》
《ある日 彼は空腹に負け 処理後の枝肉にはりついた》
《見つからないまでは良かったが》
《肉の解体が始まり》
《そして》
《アルは 冷凍蝙蝠になってしまったのだ》
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