竜の花嫁お断り　最新話 / 22話

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『後宮。』

『皇帝の子を成すため編成された 女の園。』

「あら、何かしら？ いい匂いが…」

「あれでしょう、鴻徳妃のところの…」

「よっしゃ ついに できたで～！」

【大阪】

「へー 居酒屋に たこ焼きがあるんだ！ 美味しい？」

「そりゃあ もう！　　ふわっふわっ とろっとろっですよ！」

「毎度あり！ この後も大阪観光を楽しんでくださいね。」

「「ありがとうございます！」」

「あ！ お客さん、飴ちゃん どうぞ！」

『大阪生まれ 難波育ち。　33歳 彼氏なし。』

『居酒屋たこ焼きチェーン店の雇われ店長。　この店を 赤字からＶ字回復させた実績あり。』

『将来の夢、　独立して自分の店を持つこと。』

『それから…… 夢とは ちゃうかも知れんけど、』

『うちを女手一つで育ててくれた オカンみたいな…』

『そんな たくましい女性になるのが目標。』

「店長～～ 今日阪神戦があるからって 早上がりですか？」

「たまには ええやろ。」

「こちとらこ～んな ちっこい時から、オカンに阪神好き 刷り込まれてんねん。」

「あはは！　それ生まれてへんやろ！」

『そんな日常、』

『の中の非日常。』

〈入ったー！　　阪神タイガース 悲願の優勝！！〉

〈カーネル・サンダースの呪いに苦しめられた阪神、悲願の優勝！〉

「呪い？」

「知らんの？ 昔阪神が優勝した時に、盛り上がったファンが ケンタッキーのアレを道頓堀に投げ入れて、　そっから勝てんくなったって言う…」

「ケンタッキーのアレって あの…？」

「あ、」

「アホ――」

『そんなことしたら、また暗黒時代がくるやんか！』

『それだけは あかーん！』

《ドンッ》

（…あ。）

《グラ》

（うち泳がれへんかった。）

どっぱーん

『それが うちの最期。』

『いや、カーネル・サンダースの代わりに道頓堀に落ちて死ぬ。　ってどういう最期やねん！』

『…って…』

「…は…？」

「はああああ！？」

「蓮華様！　　ご気分は いかがですか。」

「熱が下がっても 中々お目覚めにならず心配しておりました！」

『あ…』

『この子の名前… わかる…』

「陽珊…？」

「はい蓮華様、果物を召し上がりますか。」

「あら。」

「置いていたら色が悪くなってしまったので 捨ててまいりますね。」

「え、」

「もったいないやろ！」

《ひょいっ》

《ぱくん》

「蓮華様！？　や… やろ！？」

『こうして うちは、』

『陸の貿易大国 凰朔国、国随一の豪商・鴻家が令嬢、　鴻 蓮華 14歳に生まれ変わったんや。』

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