いくえみ綾さんの連載作品「1日2回」の最新話が読めるCocohanaは、毎月28日に発売です
同時配信の電子版が便利でオススメ!
もくじ
33話 6巻 ココハナ 2024年12月号
出版社 集英社/2024年10月28日 発売
ホタルの嫁入り / 1巻 -今だけ無料-
2024年1月11日まで
“「女は家の財産であり 交換や贈与の対象」”
“「結婚に意思など持ってはいけない」”
『なのに私は 自分の意志で』
『愛してはいけない人を愛してしまいました。』
『私はとても幸せでした。』
「…見てないで仕事しろよ」
「だってよぉ」
「滅多に家から出てこないんだ 今しか拝めないぞ」
「よせ 聞こえるだろうが」
「ご苦労様です」
「へ へぇ…!」
「女神だ」
「美しすぎる」
「お姉さま~」
「きゃ~っ」
「何なさってたの?」
「花のお世話をしようと思って」
「え~」
「心臓が弱いんだから外に出ない方がいいわよぉ」
「明日の縁談中に倒れてしまったら大変でしょう?」
「縁談? なんの話?」
「何って 波多野様との縁談よぉ」
「あ もしかして私に気を遣ってくれてる? 私たちの縁談話はもう気にしないで」
「彼が選んだのがお姉様なんだから」
「私が少し落ち込めば済む話よ…」
「美和子ちゃん 元気出して」
「美和子ちゃんは学校でも評判の美人なんだから すぐに次の出会いが見つかるわ」
「…縁談の話はお父様がお断りしていたわ」
「え~ どうしてぇ!?」
「波多野様はこの辺でも名の知れた貴族… お父様ったら何が不満なの!?」
「お姉様が絶世の美女だと町で噂になっているからって どこかの国の王様とでも結婚させるつもりかしら」
「期待されてばかりで お姉様かわいそう!」
「期待されることは嬉しいわ 私は お父様が望む相手と結婚することが目標だから」
「そんなの虚しいわぁ」
「お姉様も知っているでしょう?」
「私たちみたいな上流階級は政略結婚が当たり前だけど 平民は自由恋愛で結ばれることが多いって」
「羨ましいわよね… 私も波多野様とは そういう関係になれると思ったのに…」
「言いたいことがあるなら はっきり言って」
「…そのお花」
「明日のお父様の誕生日のために お姉様が育ててきたんですってね」
「庭師に聞いたわ」
「そんな風に媚びを売って」
「お父様の気持ちも私の運命の相手も 何もかも横取りしていってしまうのね」
「ううん でも見た目が全ての世の中だもの」
「仕方ないわ…」
「運命の相手…」
「「あのお家柄ではなければ縁談なんて到底拒否していた」と遊びに来ているお友達に話しているのを聞いたけど」
「…はぁ?」
「それが私の聞き間違いだとしても 横取りだなんて人聞き悪いわ」
「あなたが選ばれなかっただけじゃない」
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