モモの医術史　最終回 / 結末　【無料 ネタバレ あらすじ】

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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2022年12月29日まで

「結衣 緊張してる？」

「大丈夫です」

『平岡 結衣 ２６歳　　これから私は』

『政略結婚をする』

『――昨年１１月　　明治から１２０年続く 老舗和菓子店で』

『和菓子のデザインや売り子として働く私に』

『政略結婚のきっかけは訪れた』

「美しい」

「えっ」

『この人は』

「本当に綺麗な和菓子だ…」

『２年前から 月に一度は買い物に来てくれる紳士だ』

「これは新作ですか？」

「はっ　　はい」

『それは…』

『私がデザインした和菓子！』

「「秋色」という季節の商品で　　下がサツマイモ餡 葉は羊羹です」

「秋の山々を表現しています」

「ほう…」

「四季があるからこそ できた和菓子ですね」

「さすが千歳さん 素敵です」

「ありがとうございます」

『こうやって 想いを込めた作品が褒められると…　本当に嬉しい』

「ではこれを１０個 それと――…」

「では」

「来年も「秋色」が並ぶのを楽しみにしています」

「すみません」

「実は 今年で閉めることになりまして…」

「閉める？」

「はい…」

『半年前――…』

『大口注文の現金売り上げを 父の弟子が盗んで』

『そのまま行方をくらませた』

『その後　　新人職人の春川さんと』

『店主の父とで なんとか切り盛りをしていたが』

『その仕事を きっかけに』

『仕入れ業者への支払いが滞ったことで』

『商品を作れず 休店することも増え』

『ついに首が回らなくなった』

『私がデザインした和菓子もようやく』

『褒めてもらえるようになったのに――…』

「経営が うまくいってなくて…」

「…」

「職人さんは どうされるんですか？」

「父は…」

「私は店主の娘なのですが 父はまだ先のことは考えていないようで」

「もう１人の職人は 今 再就職先を探しています」

「…平岡さんの娘さんでしたか…」

「はい」

「父のことを ごぞんじで？　　呼んでまいりましょうか？」

「大丈夫です　　近々お会いすることになると思うので」

「ありがとうございました」

『素敵な人よね いつもたくさん買ってくださるし』

『それにしても 近々お会いする…って どういうこと？』

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