ハマる男に蹴りたい女　最新話 / 21話

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「はい！　　できたよ」

「…ありがと」

「どういたしまして！」

「――…やえちゃん　　大きくなったね」

「やっと　　お父さんと一緒に暮らせるよ」

「義兄さん やえちゃんと暮らすの楽しみにしてたから」

「きっとすごく喜ぶよ！」

「…わたしも　　たのしみ」

「…霧島さん」

「やりすぎないで下さいよ？」

「てめえも毎回しつけェな」

「さあて」

「今日も楽しい仕事の時間だ」

「ゆっゆるひてくれ…っ もうこんな商売ひないから…っ」

「ん～？」

「もうちょっとハッキリ喋ってくれないかねぇ」

「ヒェッ」

「霧島さーん こっちは終わりましたよー」

「おう杉原いいとこに来た そいつ滑舌悪くてダメだ 通訳頼むわ」

「へ？」

「いや 話つけに来たのに…　　って」

「やりすぎですよ！！」

「ん？」

【霧島 透(28歳)　極道・桜樹組の若頭】

【通称　『桜樹の悪魔』】

「「今回は平和的に話し合いで解決～」とか言ってたのはどこいったんですか～？」

「話し合いにならなかったんだから仕方ねぇだろ　　やることやったんだから いいじゃねえか」

「前の集金の時も同じこと言ってましたよ…」

「あ～…そうだっけ？ まあいいじゃねえか 仕事はしたんだしよ」

「仕事は」

「とか言ってると そのうち組長に怒られますよ～」

「言ってろ 馬鹿」

《後日》

「おい霧島」

「話がある…」

「ツラ貸せや」

【桜樹組・組長　桜樹 一彦(45)】

「…へい」

『マジかよ』

「霧島入ります」

「おう　　指詰める腹ァ決めてきたか」

『ワァ―― お怒りでらっしゃる』

「てめぇの普段の行いが最高でなぁ… 特に反省の色が見えねえのが最高だ」

「ありがとうございやす～」

「皮肉だよ 馬鹿野郎」

「しかしてめえの実力は本物だ 組がまとまってんのも その証拠…」

「一つてめえに仕事をやる」

「入ってきな」

（ゴリラ倒せとかかな…）

「娘の八重花だ」

「八重花チャン…？」

「おお～お嬢！ 大きくなりやしたねえ！ 組長に似てなくて かわいい！」

「死に急ぐのが好きみてえだな？」

「それで仕事って？」

「今から言うんだよ」

「八重花の世話係になれ」

「…は？」

「世話係？」

「俺が？　　お嬢の？」

「自由すぎるてめえに足りねえのは責任感だ…」

「これからは常に八重花のことを考え 全ての行動に責任を持て」

「断ったら殺す」

『流れるような脅迫』

『それにしても』

『こんな小さな女の子の世話か…』

「これからよろしくお願いしますね　　お嬢」

ぷいっ

（こいつはなかなか）

（難しい仕事をもらっちまったな…）

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