ふたりじめロマンチック｜最終回、結末【無料】ネタバレ

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

2023年6月12日まで

【王城内 パーティ会場】

「ねぇ…あれ」

「何かしら」

「箱……？」

（箱だよな…）

（なんなのかしら あの箱……？）

（しかし 皆は気にしておらぬようだしな…）

（もしかして気にしたら負けなの？）

「あっ…！　　いらっしゃったわ！」

「ねぇ今の…！」

「素敵だわ…」

「おお…！ あちらにおられるのは…！」

「サイフォン王子殿下…！」

【ドールトール王国 第２王子　サイフォン・ロップ・ドールトール】

「…ふむ」

「なぜ木箱が こんなとこにあるんだ？」

〔箱に興味を持ったぞ…！〕

「……」

「～～…… ……～…」

「？」

「あ…あの…」

「何か… ご用でしょうか…？」

「！？」

『箱の中から人の声―――！？』

【？？？】

「こ…このような姿で…申し訳…ございません…」

「いや こちらこそ すまない」

「まさか人が入っているとは思わなくてな」

「…だが」

「なぜ そのような箱の中に？」

「あ… あの…」

「わた…私は極度の…対人恐怖症で…　　この箱に入っていないと家族以外とは　　まともに会話…するのも怖くて…」

「そうか…」

「であれば―――　　なぜ このような場(パーティ)に？」

「わ 私も…夏に１７になり…ますので」

「ほん…本当は嫌だったのですが」

「父が箱のままで良いから成人会に出席を…しろ…と」

「なるほど…」

『箱のままで良いって何！？』

【成人会―― 季節ごとに行われるもので】

【集まっているのは この夏に１７歳となる若き貴族たち】

【王から１７度目の生誕の日を祝福され】

【成人貴族として振る舞う許可を与えられるのだ】

「成人会に箱で良いから出席せよ…か　　確かにどのような姿であれ 欠席という汚点に比べればマシであろう」

ビクッ

「…成人会の欠席というのは そ それほどの…？」

「―――…あぁ 今回の成人会は」

『き…気づいて 箱の中の人…』

「サイフォン王子が参加するゆえ 出席しないというのは」

「王家に叛意ありと捉えられてしまう危険性があるのだ」

『その方がサイフォン殿下よ…！』

「な なるほど…」

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