冷たくて柔らか｜最新話15話【無料】ネタバレ

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

2023年9月1日まで

「人間には『愛』がありさえすれば幸福なんてなくたって生きていけるものだ」と

かのドストエフスキーは言った

全くもって同意だけど

でもね ドストエフスキーさん

「女」は それだけじゃ　　足りないんです…！！

「人」として愛されること　　「女」として愛されること

２つともなくちゃ…―――

「え～ 仲道先生の旦那 かっこいい～」

「なんか俳優の高野一に似てない？」

「全然 男として見れる！」

「コラ 人の夫 捕まえて 何言ってんの」

「あっ　ごめん イケメンだったんで つい…」

「フフ…」

「まぁ かっこいいですもんね 私の夫…」

「わー 全部 受け止めた」

「いいなぁ うちなんて」

「子ども生まれてからパパママだもん」

「そんなもんですか」

「そうよ～ 独身くんにはわからないでしょうけど」

「うわ！ シングルハラスメントだ！」

「うっさいわね～」

「そういや」

「仲道先生のとこ 子どもは？」

「いやぁ… うちは自然に任せてて」

「どっちでもいいかなって」

「そうなんだ～～」

「あっ じゃあ私　　今日は この辺で失礼します」

「ハーイ　　お疲れさまでしたー」

（はー…）

（我が夫ながら かっこいいな……）

（いまだに ときめける……）

（あ…　　高野一…）

（まぁ確かに ちょっと似てるけど　　正直 悠生の方がかっこいいな…）

夫の悠生とは同い年――

３０歳で結婚して

ちょうど今日で５年…――― （つまり今日が結婚記念日！）

『悠生は とても優しく穏やかで 気も合って』

『一緒にいると あったかい気持ちになる』

『そして 悠生はいつも』

『どこか疲れたような空気をまとっていて』

『私にはそれが とても色っぽく感じてしまうのだ』

「ぼーっとしてるときの悠生って　　かっこいいよね…」

「へ？」

「何それ」

「ふふ」

「……　　…ねぇ」

「悠生は私の どういうところが好き？」

「美咲ちゃんの好きなところ？」

「そうだなぁ　　いろいろあるけど」

「ちゃんと考えるのを やめないところかな」

「本当に人として尊敬してるよ」

「……ありがと！」

ねぇ悠生

「女」としては？

悠生は　　女として　　私のこと　　好き？

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