31番目のお妃様　最新話 / 27話

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〔お前は 俺のだから〕

『私には一生 縁のない人だと思ってたのに――…』

『それは 高校１年の終わり』

「菜都 見て見て　　久世くんたち 今日は学校に来てるみたい」

『私の学校生活は この男によって狂わされることになる』

『久世玲人』

『この学校で“最強”といわれる男』

『入学早々 それまでトップに君臨していた３年生を瞬殺したらしい　あくまでウワサだけど…』

『その端整な顔立ちと 最強伝説で』

『女子にも男子にも 人気が高い』

「ほんと いつ見ても迫力あるよねー」

「だねー」

「この間も他校の男子とケンカしてたらしいよ」

「へぇー」

「あんたほんとに 全然興味ないのね」

「興味っていうか…」

「あの人たちは 私と違う世界の人間だと思ってるだけだよ」

『私はとにかく地味でいたい』

『平穏に人生を過ごせることが１番』

「何読んでるの？」

「佐山くん！」

「あっ　その小説！ 俺も気になってたんだ」

「ほんと？ じゃあ今度貸すね！」

「私 トイレ行ってこよーっと」

「えっ 春奈！？」

「そんなの いちいち言わなくても…　もーっ」

「ははっ ほんとだよね」

『地元の高校に入学して 成績もそこそこ』

『親友もいて 憧れの人もいる』

『特に目立ったこともなく フツーの毎日が過ぎていく』

『そんな平凡な日々が 私にとっては とても大切で』

『幸せだ』

「原田ー

「お前 今日 日直だったよな？」

「春休みの課題 配るから ちょっと手伝え」

「ええー！ 春休みって普通 宿題ないんじゃ…」

「残念だったな うちの学校にはあるんだよ」

「職員室まで取りに来てくれ」

「はぁい…」

「手伝おうか？」

「いいのいいの！」

「大丈夫だから！」

『まさかこの選択が 私の運命を大きく変えるなんて　　この時は 思ってもみなかった』

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