第3巻はいよいよラストに向けて物語は加速していきます。果たしてあゆみと然子の運命はどうなるでしょうか。1ページずつに手に汗握る展開が待っています。
人と人とが入れ替わることのできる赤月の日がまた巡ってきて、この日に公史郎と然子はとある策略を練っていました。
まず公史郎があゆみに話しかけ、あゆみと然子が入れ替わった時、自分が真っ先に気づかなかったことを後悔してて、ちゃんと話したいと言って空き教室に呼んでおきます。
それから公史郎が俊平を非常階段まで連れ出します。ここでのそれぞれのやりとりは、少女マンガにはとても迫力がありました。
結局、公史郎と俊平が一緒に階段から落ちて体が入れ替わってしまいます。読んでいてハラハラドキドキしました。
二人が運ばれた病院、退院してから話をしたことでこれまでの公史郎の行動の真意などがわかってスッキリしました。
公史郎は赤月の日の言い伝えのことや、体を元に戻す方法はないか探るために然子のそばにいた、というわけです。
俊平の姿になった公史郎が照れながら、まだあゆみのことが好きだと俊平に言ったところがかわいかったです。
公史郎があゆみと然子が元の体に戻る方法が一つだけある、と言いました。
しかしそれには然子の協力が不可欠になります。
公史郎は然子とは、入れ替わったことをわかっていて付き合っていたので、元に戻るために協力してほしいなんて言ったら、然子のことを傷つけることになると心配していたことが的中しました。
とある雨の日、俊平の姿をした公史郎に話を聞かされた然子が学校からも家からもいなくなってしまったのです。
心配したあゆみ、俊平、公史郎が然子を探しに行きますが、町のどこにも見つかりません。
ここで意外な人物が鍵を握っていました。然子の母親です。
然子の両親は別居していて、然子は母親と二人で暮らしていました。
あゆみが思い切って、然子と自分は体が入れ替わっている、本当の然子が行方不明になっていて心配だと言うと、然子の母親が赤月の森に心当たりがある、と教えてくれました。
ここから話は佳境に突入します。あゆみと俊平と公史郎が赤月の森の展望台に行くと、然子がいました。
更に然子の母親も駆けつけて、みんなの説得もあって然子はようやく自分の気持ちをぶつけることができました。
そして元に戻る方法ですが、次の赤月の日にあゆみと公史郎、然子と俊平がそれぞれ入れ替わります。
また次の赤月の日に、少しややこしくなりますが、それぞれがシャッフルするように入れ替わると元の体に戻るということなのです。
ラストでは、4人が無事元の体に戻ることができてよかったです。
然子にもこれから希望を持つことができそうな流れになっていて、最後まで読んで本当に面白かった作品です。