いま「余生」って言いました？　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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「ぐす　　ぐすっ」

うっ…　うっ…

カサ…

「あなただあれ？」

「ここが……」

「御園尾学園」

「おはよー」

タッ

「はよー」

タッ タッ タッ

『……え？』

シュタタタッ

くる　くるっ

〔スチャ！〕

「はよー」

「おう おはよー」

「……」

『――ありえないわ…』

『どうして こんな学校に来なきゃ……！！』

《半年前》

ドン

ドドン！

ドドドドーーン…

「……蝶子」

は――‥‥

「お前はまた パパが付けた護衛から逃げたらしいな　　心配するだろう？」

「だって！」

「護衛をこんなに ぞろぞろ引き連れて歩くなんていや！」

「中学じゃ友達一人もできなかったし！　　私はもっと 普通の学生生活を送りたいの！」

「……蝶子 分かっているだろう？」

「真中家は巨大企業だ　　そして代々 世襲制をとっている」

「お前はたった一人の跡取りなんだ」

ぐっ…

「そんなの分かってる……」

ぎゅっ…

「真中を継ぐ事は 私も覚悟を決めてる」

「それでも……　　いえ、だからこそ…！」

「ただ守られてるだけの“お姫様”じゃいけないと思う」

「は――‥‥　じゃあ こうしよう」

（蝶子‥‥ 成長して‥‥）

「御園尾学園という 中高一貫の学校がある　　お前は高校生になったら そこに入学しなさい」

「御園尾学園は 将来 有力者の右腕となる「忍び」を養成する学園だ」

忍　者？

「……父様？ 何…言ってるの？　　時代錯誤にも ほどがあるわ」

「大企業の一族をはじめ 政治家など有力者は「忍び」を側近として 召し抱えるのが習わしだ」

「力ある「忍び」に主と認められる事が そのまま世間の評価となる」

「この東郷も 青家と呼ばれる 忍び一族の頭領だ」

ペコリ。

「東郷も！？　　東郷はウチの執事ではなかったの！？」

「もちろん執事でもあるが 同時にパパを守る「忍び」でもある」

「学園には お前と同じように　　将来の右腕となる忍びを選ぶために入学してくる 御曹司やご令嬢も沢山いるだろう…」

「お前は御園尾学園で これこそは… と思えるような忍びを見つけなさい」

「卒業までに側近を見つけられたら 蝶子を一人前と見なし　　お前の言い分をきこう」

「……もし見つけられなかったら？」

にっこり

「一生パパの言う事に従ってもらおうかな？」

『冗談じゃない…！！』

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