魔法騎士レイアース2、最終話 完結3巻 感想
※ネタバレ注意です※
まさか、白くてフワフワしている、作品のマスコットキャラクターのモコナが、世界の創造主というのは驚きました。
そして、ずっと皆の事を見つめ続けたモコナが選んだ、最も心が強い者である光とイーグル。
確かに、この2人の心はとても強かったです。
そして、2人は誰かの為にずっと戦っていました。
光は、異世界から魔法騎士として、セフィーロの人達を救おうとしていました。
光は、一人が犠牲になる「柱」に対しての疑問を抱いていました。
イーグルは自分の命には限界があると思い、自分の国の為、そして、親友のランティスの為に、「柱」になろうとしていました。
2人の決戦の場は架空の東京でした。
戸惑う光に対して、イーグルは彼女を倒そうとします。
ですが、光はイーグルの瞳に寂しさを見つけました。
光は、セフィーロを救う為とはいえ、ランティスの兄を殺めた事を、ずっと悔やんでいました。
それなのに、自分の事を責めなかったランティスの優しさが、光には辛かったのかもしれません。
そして、モコナは光を「柱」として選びました。
ですが、光はイーグルも連れて、セフィーロに戻ろうとします。
彼女にとって、イーグルを置いていく事など出来なかったのです。
傷だらけとなり、血を流しても、光はイーグルの手を離しませんでした。
こんな小さな女の子の、どこにこんな強さがあったのでしょうか。
しっかりとイーグルの手を握り、どんなにイーグルが止めても、その手を話さなかった光。
光は、イーグルに生きて欲しかったんです。
そんな彼女に奇跡が起きました。
本来なら助けにこれなかった海と風が来たのです。
そして、そんな事が行えるのはモコナだけです。
モコナは、もしかしたら ずっと後悔していたのかもしれません。
エメロード姫の悲劇は、モコナの心にも影を落としていたのかもしれません。
そして、モコナの心を動かしたのは、3人の異世界から来た少女達だったのです。
実際、どちらが良いのかは分かりません。
エメロード姫のようにのように、平和だけれど、何の変化もない、1人だけが全てを決める世界の方が幸せなのか。
それとも、光のように1人ではなく、皆と協力しあって全てを決める世界が幸せなのか。
そして、モコナは1度だけ創造主としてではなく、友達として力を貸してくれました。
それは、もしかしたら創造主としてはあってはならない事だったのかもしれません。
ですが 、長い旅を共にしてきた光達を、モコナは友として認めていたのです。
モコナが言う通り、エメロード姫は皆を愛していましたが、皆を信じてはいなかったのかもしれません。
人を信じるというのは、どれだけ勇気がいるのでしょう。
モコナは、光達に希望を見つけたのかもしれません。
魔神の一体である、光のレイアースには、「光る大地」という意味があるそうです。
もしかしたら、モコナは待っていたのかもしれません。
いつの日か、自分の心を変えてくれる人が現れてくれる事を。
3体の魔神を連れて、別の世界に旅立つ瞬間、モコナは「ぷぅ」という言葉を残して去っていきました。
それは、創造主という立場ではない、友として別れたかったのかもしれません。
平和になったセフィーロで、楽しそうに過ごす光、ランティス、そしてイーグル。
穏やかなその光景は、とても平和でした。
その光景に、本当に平和になったのだと思いました。
願いは、人それぞれ違います。
ですが、その願いを叶える為には、誰かから奪うのではなく、互いに協力する事が何よりも大切なのだと教えてくれる物語でした。
最後に光が読者に向かって、新しくなったセフィーロに名前をつけてと終わるのですが、それは、セフィーロはもう2度と誰の束縛も受けないという事のあらわれだったように思えます。