化け狐の忠心　最終回 / 結末

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《……陸……》

《１度も会えなかった 私の孫……》

「バイバーイ 陸」

《おまえに》

《私の宝を譲ろう―――……》

『わぉ』

『キレーな顔』

『背 高ーい』

『高校生かな？』

じぃぃー

（あ 校章みえそう）

『…笑われちゃった』

ガタン

キキィッ

「きゃっ」

「ごめんなさいっ！」

「大丈夫？」

『コレは　話しかけるチャンスかも』

「あの…」

「ぶへっくしょいっ！」

「邪魔くせー髪」

「スッ スイマセン」

「フン」

「そんな事ないよ かわいいだろ」

「かわいい～～～？」

じ

「……？」

「楓って女のシュミ わる――」

『何こいつ 失礼～～』

〔田島駅ー 田島駅ー〕

「おい 降りるぞ」

「…え　　あの…」

プルルル

プシ――

『あーあ… 行っちゃった』

（結局 何も話せなかったな　トホホン）

『でも』

『楓…くんて言うんだ…』

『夏の熱い空気とは　　対照的な瞳』

「ただいまー」

（邪魔だな この車　おっきい）

「お父さん 何か門の前に」

「陸 ちょっと来なさい」

「……うん」

『……何だろ　　真面目な顔……』

「あなたが陸！？」

「…………はい……」

「は――っ どーして おじさま」

「こんな子 選んだのかしらっ！！」

「…………」

「オバサンは誰ですか？」

「オバサンじゃない 理事長よ！」

『理事長？』

「……まあ いいわ　　早く車に乗ってちょうだい」

「えっ」

「ちょっと何の事？ お父さん」

「陸！」

「オマエは今から　　学園長になるんだ」

『が』

『が』

『学園長～～！？』

「マガレット学園 創立者　　青葉清次(あおばせいじ)先生」

「あなたの亡くなったお母様のお父上よ　　知らなかったの？」

「中等部と高等部 合わせて　　全校生徒数８８５名の」

「県内では一・二を争う進学校よ」

『知ってる マー学って』

『思いっきしエリート高じゃん』

（お父さん 何も教えてくんないんだもーん）

「その学長が急死したの」

『……え』

「だから あなたが跡を継ぐのよ」

「････」

「ムリです 絶対ムリ！　　だって あたし おじーちゃんがいた事も知らなかったのに」

「おとなしくなさい」

「無理でも従ってもらうわよ　　学長の遺言だもの」

『そんなぁ～！！』

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