動物のお医者さん、最終話 文庫 完結8巻 感想
※ネタバレ注意です※
主人公のハムテルくんとお友達の二階堂くんは、開業医を目指してドクターコースで勉強中です。
二階堂くんはあこがれの獣医師に出会え、修行を申し込みますが、実はその獣医師さんが、突然倒れて救急車で搬送されてしまいます。
残った二階堂くんは、一人修行する羽目に。
たまたま来ていた一人の患者さんは戦時中、野戦病院を経験した方で、一緒に病院を手伝ってくれました。
緊急手術をやらなくてはならなくなり、二階堂くんは不安で大学に電話をしますが、大学も人出が足りなくて応援してもらえず、電話で教授の指示に従って手術をし、なんとか成功しました。
電話でやりとりする大学の教授や、大学病院で手伝うハムテルくんとなぜかシベリアンハスキーのチョビが、忙しそうにバタバタしているところが笑えます。
大学の先輩、菱沼さんはちょっと変わった人です。スローテンポでのんびりした性格は、親戚の人たちも同じでした。
その夏はハムテルくんと二階堂くん、チョビで菱沼さんの親戚の家へ出かけることになります。
親戚の家は酪農家で、牧草を蓄えておくサイロの中で、降ってくる草を踏み固める作業をお手伝い。
スローテンポな親戚の人たちに囲まれ、戸惑う二階堂くんとハムテルくんは、一生懸命作業を手伝います。
過去の菱沼さんの失敗談を親戚の人からきいたハムテルくんたちは、菱沼さんの現在も過去も変わりない菱沼さんに呆れているようでした。
ハムテルくんの大学のお友達が開業医になったと知るハムテルくんのおばあさんは、ハムテルくんたちの開業の場所を巡って、近所の動物病院があるのを思い出します。ハムテルくんのおおばあさんは偵察しに、チョビを連れて押しかけます。
おばあさんの勢いと冷静な獣医師、そしてお茶目なチョビにはほっこりしてしまいます。
先生の汚物をいじくる姿にデリカシーがないとおばあさんは怒ってしまいます。
が、的確な診察に良心的な金額から、昔の誤解は解けたようです。
大学の診療所に乳歯と永久歯が生えた患畜が来た時に、ハムテルくんと二階堂くんは大学入学当時を思いまします。
昔、チョビを散歩をしている時について来てしまった小さなわんちゃん。
まだ歯が生えていなくて子犬だ判断して、チョビと一緒に遊んでじゃれあっています。
チョビの乳歯が抜けた時に生えて来た永久歯をみて、子犬には永久歯がないことにハムテルくんたちは気がつきます。そう、子犬とは逆の老犬だったのです。
新聞の訪ね犬にその子犬のことが出ていて、心臓に病気があると知った時のハムテルくん達の慌てぶりが最高です。
チョビは遊び相手ができたと思ったのに、引き離されてしまい、がっかりしていましたが、猫のミケちゃんが「うちがおるだろう」と一緒に遊んであげているシーンはミケの優しさが溢れています。
秋の学会で九州に来たハムテルくんたちは、先に卒業した同級生の職場に出かけます。
カンガルーワールドに勤めている中川くんはこの日は人出が足りないからと、ハムテルくん達に手伝ってもらいます。
ところが、カンガルー達は喧嘩をしたり、ネットから脱走したりとトラブルに。
暴れるカンガルーに四苦八苦のハムテルくん達の姿が大変そうだけれど楽しそうです。
ハムテルくん達の大学構内では銀杏並木があり、銀杏の収穫時期になっています。
ちょうどその時にいた数名の大人達が気になったようですが、湈原教授と銀杏拾いに行くことになります。
お昼の頃になり、湈原教授は弁当工場からお弁当を盗みますが、ここは湈原教授の親戚の工場で、ハムテルくんが以前会った銀杏拾いの人たちは、この工場の工場長でした。
そのあと、湈原教授と弁当工場長との銀杏広い対決が始まります。
いい大人が、銀杏ごときで目をバチバチさせておもしろいです。
最終話ではハムテルくんの近所にあった動物病院がなぜか二階堂くんが引き受けるという話になってしまいます。
ハムテルくんの家から近くにある病院なので、おばあさんは怒ってしまいます。
ハムテルくんもいつもいる二階堂くんがいなくて、力をなくしている様子。
二階堂くんが動物病院の引き継ぎを阻止しようと、湈原教授や他の生徒総出で、二階堂くんの嫌いなネズミを持って押しかけますが、すでにねずみ系の患畜や、排水溝からのネズミの出現に二階堂くんは発狂し、ネズミの患畜が多い病院なので、引き継げないことに。
でも、数年後、医療機器をハムテルくん達に譲ってもらえることになり、開業の目処がたったようです。
ハムテルくんちの盛大なクリスマスパーティーが北海道の広大で豊かな感じが羨ましく思いました。