荒ぶる季節の乙女どもよ。、7巻 感想
※ネタバレ注意です※
両思いになり付き合い始めた和紗と泉、り香と駿でしたが、淡い恋が展開するどころか、彼女達の周りでは様々なことが影響して噛み合ったはずの歯車が早々に狂いはじめました。
また、文芸部の面々も、り香が仲良くなったばかりのギャル：十条が妊娠による退学処分が決まったことで関係に軋みが出ることになりました。
これまで各々が抱いていた互いに対する疑念やモヤモヤした感情がぶつかり合うことになりますが、それをきっかけに文芸部のメンバーはそれぞれが抱えていた問題にまっすぐに向き合うことになりました。
特に今回の巻では序盤から引っ張ってきた菅原氏とひと葉の問題は終息に向かって動きはじめました。
菅原氏は三枝の待つホテルへ向かい、今の自分を終わらせようとするものの、三枝の白髪混じりの鼻毛にドン引きし現実に戻るという何とも生きた女性らしい理由で三枝への昔から引きずっていた感情が呆気なく終結しました。
その後、自分はこんな男のために気持ちを押さえ込んでいたのだと気付き、自分の中に存在する本当の恋する気持ちに正直になる姿は、今まで物分かりの良い女の子ポジションだった子が、初めて、青春を生きる女子高生として表情あるキャラクターになったと感じました。
また、同じようにひと葉もずっと執着していたミロ先生に対する感情は性的経験をさせてくれるだろう相手としてではなく、一人の男性として好きになっていたことを正面から捉えた姿は可愛らしい女の子になっていました。
ところで、両思いになったはずの和紗は素直になった菅原氏の影響で、幸せキャラから一転。暗雲立ち込める状況になってしまいました。
付き合っていることを知っているけれど、泉に告白することを菅原氏に宣言されてしまった和紗は、焦りから泉に関係を迫ってしまい、玉砕しました。
前回、菅原氏と二人で過ごしたことが影響して泉の中に菅原氏に対する気づいていなかった恋心が芽生え始めたせいで、和紗に対しての距離が徐々に狂い始めた泉の態度は、理解は出来るけど納得できないといった感じでした。
付き合いたてで、そんなに感情揺れるのかよ！だったら付き合うなよ！と女性ならツッコミを入れたくなります。
そんな風に各々の状況が変化し始めた最中、十条の妊娠がきっかけで学校は男女交際禁止を宣言。
それが原因でり香は見せしめのために退学処分対象となってしまい、これをきっかけに文芸部全員がミロ先生を人質に男女交際禁止の撤廃を求める立て篭もりを決行するところで７巻は終了しました。
本巻では百々ちゃん以外の文芸部員それぞれが抱える問題が一気に動き出した巻でした。
菅原氏への気持ちに気づいた百々ちゃんの恋の結末がどう動くのかは次巻判明するようですので、続きを待ちたいと思います。
