ゴールデンラズベリー　最新話 / 17話

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『西暦２０××年 １２月２４日――』

「あー今日も疲れた！」

「充実はしてても 現場にいた頃より休みが取れないのがな～」

『都内で一人暮らしのアラサー喪女。』

『入浴中にネット小説を読み漁るのが毎日の楽しみ。』

「今日は どれにしよー」

「か　　な…」

「……」

「………」

「………」

「ＺＺ……」

『まさか、この恥ずかしい姿が、』

『私の現世最後の姿になるなんて―――…』

「…様。」

『あれ？ お風呂は…？　　私の愛用タブレットは――…』

「お目覚めですか。」

「本日も いい天気ですね。」

『この風景…　　うちじゃない…』

『……ん？　　…金色…？』

「さぁ身支度をいたしましょう、」

「リーゼリット様。」

『リーゼリット…　　そうか、私の名前は リーゼリット………』

『じゃない…！！！　　私はただの日本人喪女！ 決してそんな洋風な名前では…』

『…まさかこれって――』

『て…　転生――――！！！？？』

『アラサー喪女　お風呂で溺れて 金髪翠眼美少女に転生しました。』

「って…」

『いやいやいや！！　　じゃあ素っ裸で溺死した私って いつ誰が発見してくれるのっ？』

『仕事は…！！？　　今日の会議の議事録 まだ手を付けてないし、休講の連絡は誰がしてくれるの？　　一週間後に迫った実習の準備も 年内に発表予定だった科研費での論文も――』

『って 死んでるのに どうしようもないか～～～～～～～～！！』

「リーゼリット様？　　もしかして昨日の疲れが…？」

「体調が優れないようでしたら医者を…」

「予定通りで大丈夫よ、」

「ナキア！」

（って、自然に彼女の名前出てくるし！）

『本当に転生しちゃったんだ……』

「かしこまりました。」

『とりあえず落ち着け私…　落ち着け…』

『この世界、恐らく あちこち読みふけった小説の一つかなとは思うのだけど…』

『まずは、この世界の情報を集めなくちゃね…』

「さぁ、整いましたわ。」

「リーゼリット・フォン・ロータス様。　本日もお美しいです。」

《ロータス家の三女。　リーゼリット・フォン・ロータス。》

《１４歳。》

『名前を呼ばれても どの小説の登場人物か 皆目見当もつきません！！！』

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