ごめんね初恋　最新話 / 8話

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「すまない マリアベル」

「婚約を」

「破棄してほしい」

「エドワード様… …突然 何をおっしゃるのです…」

「…決して君に非があったわけではなく」

「これは僕のわがままに過ぎないのだけれど…」

「真実の愛を見つけたんだ」

『“真実の愛”…――』

『―――って　　なに……？』

『そもそも愛とは…』

『なんなのだろう』

『私は７歳の頃から　　立派な王太子妃になるための教育を受けてきた』

「――――様　　マリアベル様！」

【王都】

「居眠りなさいませんよう マリアベル様」

「す…すみません ダドリー夫人」

『毎日…毎日遅くまで 寝る間も惜しんで勉強をした』

「ここで音を立ててはなりません」

「は…はい」

「もう一度 頭から優雅に品良く」

「はい」

「もう一度です マリアベル様」

「はい」

「前に出すぎです もう一度」

「はい」

「もう一度 ゆっくり――」

（…いた）

（あっ　エドワード様…）

「マリアベル様」

「よそ見をなさいませんように！」

「はい！」

「よろしいですか マリアベル様」

「礼儀正しく」

「背筋をまっすぐ」

「品格高く」

「知性と教養を身に付け」

「エドワード殿下を補佐するのが あなた様の務めです」

「“完璧な淑女”でなければなりません」

「常に笑顔で 口角は上げすぎず」

「優しく穏やかに微笑んでください」

「そして　　王太子殿下の言葉に従い そのお心を慰めるのです」

「それが王太子妃の役目です」

「はい ダドリー夫人」

『ならば――――…』

「承知いたしました　　婚約破棄を受け入れます」

「エドワード殿下の仰せのままに――…」

「マリアベルなら わかってくれると思ったよ」

【バークレイ侯爵家】

「おかえり マリアベル」

【書斎】

「お父様…」

「こちらへ座りなさい」

「…はい」

「王家より婚約を破棄する旨の意向を聞いた」

「マリアベルも承知したとのことだが 本当かね？」

「…はい」

『私は…』

「そうか…」

『両親の期待を裏切ってしまった…………』

「決してお前を責めているわけではないよ」

「お前は よくやっていた」

「…だが殿下には それがわからなかったらしい」

「あ…」

ポロ ポロ･･

「マリアベル…」

「お父様っ………」

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