高尾滋さんの連載作品「曙橋三叉路白鳳喫茶室にて」の最新話が読めるMELODYは、偶数月28日に発売です
同時配信の電子版が便利でオススメ!
もくじ
18話 4巻 メロディ 2024年12月号
出版社 白泉社/2024年10月28日 発売
ハデスさまの無慈悲な婚姻 / 1巻 -今だけ無料-
2023年5月8日まで
『万物の吐息は やがて凪ぎ 仄暗き地底へ 魂は攫われてゆく』
『闇に座する王の目は 二度と帰れぬ者達の嘆きを埋め 只 采配を振るうのみ』
『無慈悲なその心は 誰を見つめることもない』
「地獄(タルタロス)からの脱獄だ!!」
「由々しきことだ タナトス!!」
「ああ ヒュプノス 冥界の王ハデスさまが御留守の間に脱獄など…っ」
「一刻も早く 地獄へ送り還せ!!」
「…ッ 冥界の番犬 ケルベロス!」
「地上… 地上へ…」
「…そのような勝手 赦した覚えはない」
「魂すら焼き尽くす業火…… あれは…」
「我らが偉大なる王にして 冥界の神」
「ハデスさまがお戻りになった!!」
ビョ―――ン
ムスン…
『!?』
「ハ…ハデスさま その御額に刺さっているのは…」
「恋の神 エロースさまの矢では御座いませんか!!」
「射抜かれた者は人も神も 次に見た相手への恋に落ちる 恋をするまで決して抜けぬという 魔性の神器――」
『しかし―― ハデスさまともあろう御方が易々と射られるはずがない』
『さすれば…』
「御自ら矢を受け 恋をなさろうとしたのでは……!?」
(ずっと独り身で在らせられたハデスさまの行く末を御心配申し上げていた我らが臣下の心が 遂に通じたのだ!! 見ろ ヒュプノス 歓喜の震えが止まらぬ)
(我もだ タナトス これは千載一遇の好機――)
「ハデスさま! 泡沫の恋とは言わず… 盤石たる御縁組をされては如何で御座いましょう!?」
「…よく聞け 死の神タナトス 眠りの神ヒュプノスよ」
「私は婚姻などしない」
「で…では 恋の方は……」
「恋もしない」
「私は生命の一切を無に帰す 冥界を司る神」
「無慈悲なる冥王ハデスが くだらぬ情交に心を費やすと思うか」
「我が臣下でありながら 恋だの婚姻だの嘆かわしい」
「恐れながら… 神も人も 誰もがみな…」
「恋をすると胸が高鳴り 血が滾り 相手をこの腕に掻き抱きたいと… 抗えぬほどの欲動に突き動かされるものなので御座います」
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