天乃タカ先生の連載作品「ヒミツのもふもふ婚姻譚〜旦那様は狼男でした〜」の最新話が読めるプチプリンセスは、毎月1日に発売です!
もくじ
18話 4巻 プチプリンセス vol.92 2024年12月号
出版社 秋田書店/2024年11月1日 発売
没落令嬢、貧乏騎士のメイドになります コミック版 / 1巻 -今だけ無料-
2023年10月12日まで
『俺と彼女は初対面のはず――』
『なのになぜ』
『そんな顔で睨まれなければならない!?』
『アニエス・レーヴェルジュとの出会いは5年前まで遡る』
「いやぁ アニエス嬢の社交界デビューの日に立ち会えるなんて運がいいなぁ なぁお前もそう思うだろ」
「ベルナール!」
「別に興味ないね」
「はぁ~? 何言ってんだよ」
「アニエス嬢といえば あのレーヴェルジュ伯爵家の一人娘! その上「麗しの薔薇」と囁かれるほどの絶世の美少女!」
「彼女と結婚できたら人生は成功したも同然! 俺たちみたいな次男以下からしたら これ以上ない伴侶候補だろうが!」
「家柄と容姿が完璧な一人娘ねぇ……」
「だったら なおさら俺には関係ないな 田舎領主の五男坊に嫁ごうとは思わないだろ」
「なんだよ 俺たち一人前の騎士になったから こうして宮廷舞踏会にも参加できるんだろ まったく」
「「ベルナール」って名前なのに弱気なんだから」
「ジブリル……!」
「おっと ごめんごめん」
「ったく……」
『俺の生家であるオルレリアン子爵家は 王都より離れた田舎街を領している』
『子どもに意味のある名前を授けてきた父も 5人目の息子にネタ切れだったのか』
〔ふ―――― よし ベルナールにしよう 意味は〕
〔「熊のように強い男」だ!〕
『略して熊男』
〔熊男……〕
『これまでに頑張って参加した社交の場でも 往々にして散々な結果に終わる』
『だがそれ以上に 五男の俺には十分な財産分与がなく 唯一あるのは街の郊外にある屋敷だけだ』
〔何度も振られ やっと原因がわかった〕
『結婚に大切なものは財産なのだ!』
「それで11歳の時に王都で騎士になるため こっちにやって来たんだろ 立派だよ ベルナール」
「もちろんだ 俺には騎士としての誇りがある 俺の人生にも生まれにも恥ずべきことはない」
「じゃあ 問題ないよな」
「……ん?」
「アニエスさんに声かけに行こうぜ!」
「お おい!」
『大貴族のご令嬢が俺に興味を持つはずがない だが 向こうもこんなことには慣れているはずだ』
『しがない地方貴族の五男坊とはいえ』
『社交辞令で挨拶するくらい……』
『――どうして』
『――どうして初対面の相手に あのような目で見られなければならない!?』
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