風呼びのマカナ　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『ここはストライド王国』

『妖精や魔物といった不可思議な生き物が息づく　　魔法という概念が色濃く残る国―――…』

『王侯貴族は皆 魔力を持って生まれ その力をもって国の平和を維持している』

『物語の始まりはストライド城』

「こ…これがオープニングの夜会シーン！！」

「あああ…　感動…！！　すごい… すごいよ～」

「今…ゲームが始まったのね…！！」

【２６時間前】

「…嘘…でしょ…」

『私 シルヴィア・リーヴェルト(19)　　リーヴェルト侯爵家の長女として生まれた』

『さっきまでは その人生が私の記憶の全てだったのに』

『その記憶は突然 頭の中に落ちてきた』

「待って待って…」

「ここって…」

「『貴女の指先で淫らに喘ぐ(R18)』の世界！？？」

「い…っ一旦 落ちつこう…」

『私にはここで生きた１９年分の記憶がある』

『それなのに別の世界…』

『『日本』という科学の発展した国での 別の人生の記憶も蘇ってきて…』

「え…えーと…　　つまり私は」

「転生した…ってこと？」

「…指先シリーズの世界に？」

『指先シリーズ…　　それは』

『ゲームのヒロインはシルヴィア・リーヴェルト（デフォルト名）』

『侯爵令嬢』

『シリーズ一作目は主人公(ヒロイン)と６人の攻略キャラたちが織りなす　　王宮ラブストーリー』

『と…いえば聞こえはいいけど』

「エロイベントしかないと言っても過言ではない 究極のぬるゲーなんだよね…」

『女性だってエロを求めている！！　　従来のものとは違う！！　　エロを追及したゲームを作るのだ！！』

『そんな』

『ある意味 欲望に忠実なコンセプトで作られた このゲーム…』

『発売前は』

《女性を馬鹿にするな》

《エロ重視なんて女性をなめてんのか 大事なのはストーリーだろ》

《男性向けに作り直せば良いと思う。》

『なんてネットでも叩かれたんだけど』

『発売してみれば あっという間に初回限定版が売り切れるという　　まさかの大ヒット』

『平均レビュー１.５という 恐ろしい低評価にもかかわらず』

〔なんだかんだで やってんじゃん　全コンプって あんた…〕

『なぜかそのゲームは売れに売れ続け　　次々に続編が発表された』

『そんなゲームを私は散々やりこみ』

〔あと一人でコンプできる～♥〕

『全作すべて 初回限定版 購入！！　　レビューも堂々と☆５をつけ　　友達にも布教した』

『ストレス発散にはエロが一番なんだ！！』

『と居直り　　同人活動だって頑張った！！』

『私が生涯 愛し続けた乙女ゲーム　　それが』

『指先シリーズ！！』

『…の』

「まさかの私…主人公(ヒロイン)ポジか――…」

『…ていうか よりにもよってＲ１８…』

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