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結末

ベルサイユのばら 最終回 愛蔵版5巻 ネタバレ注意

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ベルサイユのばら、最終話 愛蔵版 完結5巻 感想

※ネタバレ注意です※

少女・少年関係無く、すべての漫画作品の中でも歴史に残る名作と呼ぶに等しい「ベルサイユのばら」。その「ベルサイユのばら」の最終話(最終巻)について書きたいと思います。

最終巻では、近衛隊長であり、貴族であるオスカルが、国王・貴族を守るのではなく、市民の為に戦うという決意をし、バスティーユを襲撃する事を選び、襲撃するところから始まります。

しかし、そこで銃撃され、バスティーユが落ちた瞬間を見届けてすぐに死んでしまうのです。最終巻の最初から、もう涙・涙の幕開けでした。自らが信じた正義の決断によって、散っていったその姿に、もう本当に涙が止まりませんでしたし、今、読み返しても、やはりまた涙が出てきました。

愛するアンドレの元へと旅立ち、悔いなくその人生を全うしたオスカル。オスカルの死はあくまで自身の正義に基づき、汚れが無く、崇高なもので、いかにもオスカルらしいその死に、悲しいものの、同時にとてつもない感銘を受けました。彼女の生き様は、その生き様同様、死に様も素晴らしいものであったと・・・。

この現代の日本で、フランス革命時のお話の中にどっぷり。今もこのベルばらの漫画のページを開いた途端、タイムスリップします。

そして、オスカル亡き後、フランス革命は、このベルばらの漫画の終焉とともに、終結していくというクライマックスを迎えます。

実は私が一番好きなベルサイユのばらのキャラクターはフェルゼンです。何しろ、王女マリー・アントワネットが愛し、あのオスカルでさえ一時は恋い焦がれた男性です。育ちが良く、でもその事で驕ることなく、ハンサムで、男気があり、実際にいたら絶対に好きになる生粋の正しく北欧の王子様タイプです。

ですから、最終話では悲しいながらも、私の好きなシーンがてんこもりでした。革命の大混乱の中、フェルゼンがマリー・アントワネットに、ベルサイユに会いにきたシーンもその一つです。

「命をかけておまもりします。」

大変な状況でのこのセリフが、もう心にグサグサとささりました。今も、色褪せる事なく、何度読み返してもささります。

フェルゼンの手引きで逃亡中に国王ルイ16世がフェルゼンを巻き添えにしない為に離れます。しかしその後もまた、フェルゼンは危険を顧みず、マリー・アントワネットに会いに行く。

そこで、フェルゼン家の紋章が入った指輪をマリー・アントワネットに渡し、自分の妻は未来永劫あなただけだと告げる。

私が最も好きなシーンです。もう、何度読んだ事でしょう。

物凄い愛です。良いも悪いもない。そこにあるのは、相手を愛する、その物凄い純粋な思いだけなのと、そう思いました。そして、この最終巻の終わり近くになって、やっと2人は結ばれる。しかも、最初で最後となるのは双方分かっていた上での生と死の間の契り。どれだけの強い、お互いを恋い焦がれた気持ちがこもっていたでしょう。

ラスト。ルイ16世が最後の最後まで、やはりフェルゼンを巻き添えにしない措置をします。

フェルゼンは愛するマリー・アントワネットが処刑されると分かった時「もう ずたずただ・・・。」と思う。愛する人のそばを離れ、生き残った自らを呪われたら良いと叫ぶ。その心のセリフの重さがすざましかった。

そして、そのフェルゼンも後に虐殺され、

「かくて運命は死をもって愛しあうふたりを結びつけたのである・・・」

これが最後の最後のシーンの言葉です。

フランス革命という物凄い題材を、壮大に描いだこのベルサイユのばらですが、その根底にあるのは、いつも、愛であったのだと、この最終巻で私は、本当に強く感じる事ができました。そして、その愛の形は色々ではあるものの、人類始まって以来、この人を愛するという気持ち以上に強いものは、無いのではないか?と思わせるような、そんな作品であり、終焉だったと思います。


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