魔法世界の受付嬢になりたいです｜最新話33話【無料】ネタバレ

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『私は人類を殲滅しこの地球を我が母星のものとするため 日々戦いを繰り広げている悪の組織の幹部である』

『……が』

『今日は休日だ』

『休日はまず 美味い食事を摂る』

『且つ 目にも栄養を与える』

（人類が消えたらパンダを増やそう）

『ふわふわしているものが特に有効である』

『そして何よりも 仕事から離れることが大事だ』

『町中でうっかり同僚を見かけたとしても流星の如き軽やかさで その場を離れる』

『後日「この前スーパーにいたよね？」などと言われても 知らない振りで押し通す』

『完璧である』

『ただし ここで一つ留意すべきはレンジャー達の存在だ』

『人間の分際で 度々我らに刃向かってくる愚かな者共だが』

『その実力は中々に侮れない』

『しかし そのレンジャー達とも今日は決して争いはしない』

『そう 何故なら…』

「あの… そこの方」

「悪の組織の方ですね？」

「あなたから邪悪な宇宙エネルギーを感じました」

「パトロール中の俺に遭遇するなんて あなたも運が悪い！　　このレンジャーアカツキレッドが相手に…」

ス…ッ

「今日のところは休戦としようじゃねえか レンジャー君」

「何…！？」

「私はパンダが好きでね こんなところで争って怯えさせたら可哀想だろうがよ」

「パ…」

「俺も好きです」

「良い趣味だ レンジャー君」

「ところで… その手に持ってるチケット…」

「水族館のチケットじゃねえのか？」

「これは…っ」

「もしや水族館のパトロールの予定が」

「誤って動物園に来てしまった…なんて言わねえよな？」

「……っ」

「なんで それを…」

【レンジャーアカツキレッドは極度の方向音痴であった！】

「水族館は上ノ野駅から九つ目の駅で降りてすぐだ」

「では私はもう行」

「……え…」

「駅には…」

「どうやって行けば…」

【レンジャーアカツキレッドは極度の方向音痴であった！】

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