梶山ミカ先生/我鳥彩子 先生の連載作品「魔王陛下のお掃除係」の最新話が読める月刊プリンセスは、毎月6日に発売です
同時配信の電子版が便利でオススメ!
もくじ
55話 12巻 プリンセス 2024年12月号
出版社 秋田書店/2024年11月6日 発売
恋せよキモノ乙女 / 1~3巻 -今だけ無料-
2023年1月20日まで
《なぁ》
《なぁ》
「ん…」
「…… ネロ?」
「なんや起こしてくれたん? ええ子やなぁ」
《にゃ》
「ん―― よく寝たぁ…」
「今日はお寝坊さんやね もも でかけんと家におるん?」
「ううん 喫茶店に行こかなって」
「喫茶店?」
「うん 六曜社」
「あんた わざわざ京都まで行くん?」
「だって~ あそこの珈琲とドーナツがええねんもん」
「そういえば お姉ちゃんは?」
「とっくに でかけてる デートやって」
「お」
(木蓮のつぼみが…)
(春やなぁ)
(もうすぐ咲きそう)
「あ!」
「せや せや」
「確か木蓮の柄の帯を おばあちゃんが持ってたはず!!」
『おばあちゃんが』
『遺してくれた箪笥は』
『私の宝物』
『娘時代のものから』
『お嫁入りの時に揃えたものまで』
『おばあちゃんが大切にしてた』
『色とりどりの着物や帯がつまってる』
『小さい頃から』
『ずっと憧れてた』
「う―――ん」
「奥の方かな」
「あった!!」
「これこれ」
「今日は この帯にしよ」
「せっかくやし 着物も春色がええよね」
『街着やし 小紋か紬か』
『今日は 可愛らしくて 春らしいのがええから』
『光沢感のある 華やかな小紋にしよう』
『淡い桃色に』
『蝶々の柄で』
『すみれ色の綸子の帯揚げ』
『帯締めは赤色で…』
「いい! 想像するだけで可愛い!」
「おばあちゃんの蝶々柄の小紋があったよね」
「これ これ~!」
「しかも ちょうど桃色!!」
「よし」
「着がえよかな」
「うーん ちょっと太ったかな」
『着物を着て』
『おでかけする』
「よしっ」
『――それが』
『私の楽しみ』
『長襦袢の上に』
『長着を着て』
『普段とはちがう』
『私になる…』
『この儀式のような時間が』
『私は大好き』
「~~っ!!!」
『――やっぱり! 思った通り!!』
「ネロ!」
《!!?》
「見て見て!! 可愛くない?」
《にゃ…》
「袂のドレープ感が好きなんよねぇ… 染めの着物のシルエットとか」
《な! なっ》
「わ ネロ 何? 何?」
「ほんまや!」
「もうこんな時間やん!!」
《にゃ》
「ほなね 行って来ます」
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