冬夏アキハル先生の連載作品「転生悪女の黒歴史」の最新話が読めるLaLa(月刊ララ)は、毎月24日に発売です
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もくじ
72話 16巻 LaLa 2025年1月号
出版社 白泉社/2024年11月22日 発売
ふるぎぬや紋様帳 / 1&2巻 -今だけ無料-
2022年3月7日まで
『着物…!』
『これ全部着物?』
『――まあ』
『きれい』
『一度に花が開いたよう』
「ね きれいでしょ」
「――って母さん 何よ これ」
「だから おばあちゃん家にあった着物よ」
「こんなもの いきなり私に送ってきて どうするのよ しかも 箱いっぱい」
「おばあちゃん家 とうとう壊しちゃうの」
「それで今 荷物を処分していて…」
「だから なんで私に……」
「だって」
「「着物は伊都子ちゃんに」って おばあちゃんの書き置きがあったんだもの」
「え… まってよ おばあちゃん亡くなったの20年も前でしょ なんで今さら…」
「20年間 おばあちゃんのものは そのままになってたの 兄さんも海外勤務やら何やらでね」
「だったら 母さんのところに置いて」
「ほら あなた 仕事で使うことあるんじゃない?」
「インテリアのお仕事しているんだから」
「使わないわよ」
「ま いいじゃない じゃね」
「ちょっと 母さ…」
『つまり母さんの本音は』
《えー着物? いらないから処分しようかしら でも“伊都子へ”って書いてあるし 勝手に処分するのも気が咎めるし 面倒くさいし とにかく まあ あの子のところへ送っちゃお》
『――ってことね』
《うちに しまうところもないしぃ》
『一人暮らしの娘のところのほうが ないわよ』
『――きれいだけど』
『なんで私に?』
『母方の律子おばあちゃんは』
『私が小学生のとき亡くなったから あんまり覚えていないのよね』
『そういえば いつも着物を着ていたっけ』
『離れていたから たまにしか会えなかったけど』
《伊都ちゃん はい おばあちゃんが作ったのよ》
《わー きれい》
『そういえば きれいな端切れでポーチとか作ってくれたな』
『ごめんね おばあちゃん』
『私 こういうものに全く興味なく育っちゃったの』
『悪いけど 処分させてもらうわ』
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