石原ケイコ先生の連載作品「偽りのフレイヤ」の最新話が読めるLaLaDX(ララデラックス)は、偶数月5日に発売です
同時配信の電子版が便利でオススメ!
もくじ
36話 13巻 LaLaDX 2024年11月号
出版社 白泉社/2024年10月4日 発売
嘘よみと偽飾の王女 / 1巻 -今だけ無料-
2022年6月29日まで
『とある南方 ルゥマと呼ばれる島と その周辺の島々からなる王国』
『龍宮』
『統べるは 龍宮の王 朱里の都にて 政を成す』
『その第一王女 父王の命にて 王都朱里より離れた 黒浦(クフ)の地を治むるも』
『幼き頃から病弱で 近年では声を失うという病を患い 人前に姿を曝すこともままならぬ御身であった』
『黒浦按司加那志(クフあじがなし)』
『齢15の その王女』
『ある夜』
『一人の侵入者に討たれようとしていた』
『殺るんだ 早く』
『早く』
『この王女を…』
「御前(うめ)! 貴様 御前になにを…!」
「っ…!」
『捕まった』
『ここで終わりか』
『ここで――…』
「止め」
「私(わん)ならば 大丈夫だ」
(男…? 王女じゃない…!?)
『間違えた 失敗した』
『失敗…』
『ごめん みんな』
『ごめん 姉ぇね』
『敵討てなかった――…』
〔追っ手が来る もう村には戻れない〕
〔振り返らずに まっすぐ走り抜けるのよ〕
〔逃げなきゃ〕
〔生きなきゃ〕
「姉ぇね!」
「目が覚めたか 侵入者 そんな格好(なり)で てっきり男かと思ったら」
「おまえ 女じゃないか」
《ばちこ――ん》
「…おれは今 なぜはたかれた?」
「なぜでしょうね」
「なんだ おまえら!」
「それは こちらのセリフだ 御殿に入り込む おまえこそ 何者だ」
『そうだ 王族を討つために侵入して―――…』
「王女の命を狙ったのか? 残念だったな」
「おまえが押し倒した相手(おれ)は替え玉だ」
「このとおり無傷だし おまえの暗殺は大失敗…」
「嘘だ」
「あ?」
「おまえは 替え玉なんかじゃない」
「…替え玉でないならば」
「おれはなんだ?」
「女に見えるか? ここで全裸になってもいいが?」
「不用意に近づくな アス 本来なら 捕らえた時点で即刻首をはねる 重罪人…」
「ふざけるな!」
「重罪人は 王族のほうだ!」
「“ルカ狩り”と称して あたしたちの村を焼いたくせに…!」
「村を焼かれた…? そうか おまえ」
「ルカ―――…!?」
「なるほど 合点がいったな この娘は “ルカ狩り”の生き残り…」
『ルカ この島に古来から住まう巫女』
『神や精霊の声をきき』
『時に予知や 降霊などの不思議な力をみせる』
『その力は 人々の救いとして 一定の支持を得てきた』
『だが――…』
「ルカの存在は 民衆の心を惑わすものとも言い換えられる」
「朱里天加那志(しゅりてんがなし)が その弾圧を強めているのは事実だが… 村の仇討ちというところか」
「おそらく男のような格好も女であることを隠すため ルカは 女だけが なりえる巫女」
「男であれば ルカと疑われることもない」
「…おまえ 村の者は?」
「…死んだ みんな」
「…そうか」
「すまなかった」
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