仲月かな先生の連載作品「メイクしてキスして、その先は。」の最新話が読める姉フレンドは、毎月1日に発売です!
もくじ
9話 3巻 姉フレンド 92号
出版社 講談社/2024年6月1日 発売
陛下、心の声がだだ漏れです! / 1巻 -今だけ無料-
2024年1月11日まで
「陛下 第四王女様がお見えです」
「通せ」
「ラ… ラシーから参りました」
「ツィツィーと申します」
「……ふんっ」
「人質か…」
《驚いた… 女神が舞い降りたのかと思った…》
「政略結婚とは くだらんな」
《本当に美しい… ラシーの王には感謝しかないな……》
《ツィツィー なんて清廉な響きの名だ》
《意味はなんだ? 「花の妖精」か? 「宝石のような」あたりか?》
(びっくりした…)
さっきの…… 陛下の心の声……よね
【ツィツィー・ラシー】
【彼女には人の心の声を聞く 不思議な力があった】
〔おかあさま〕
【幼い頃 自分の持つ力が特異なものだと知らなかったツィツィーは】
【母親が呟く心の声に何気なく答えていた】
【最初は偶然かと思っていた母親も】
【いつしかツィツィーを《呪われた娘》と忌み嫌うようになり】
【ツィツィーは王宮の外れに追いやられ】
【半幽閉状態で暮らすことになった】
【年を経るにつれ だんだんその力も弱くなり】
【今では意識しないと聞こえなくなっていたが――】
(どうして陛下の声だけ)
(あんなにはっきり聞こえたのかしら――)
「遠方より苦労であった」
《本当は俺が迎えに行くはずだったのに!》
「今日はもう休め」
《俺も仕事がなければツィツィーと……! ランディの奴 わかっていて予定を入れたな》
「……何を見ている」
《くっ…… どうしてこんなに可愛いんだ!!》
(勝手に聞こえてしまうだけでも申し訳ないのに)
(あんな…… 恥ずかしくなるようなことを……)
「…とりあえず 今日はもう寝ましょう…」
【北の大国 ヴェルシアと】
【南の小国 ラシーは名目上「友好国」であった】
【ヴェルシアは戦乱の時代―― 先代皇帝による強大な支配の下】
【周辺国を次々に蹂躙し 我がものにしていった】
【弱小国であるラシーは】
【そんな強国への忠誠を示すため】
【《嫌われ者》の末姫を生贄として差し出した】
【ツィツィーは ヴェルシア先代皇帝の 六番目の側妃となるはずだった】
【しかし】
【先代皇帝の突然の崩御】
【それにより 国中を巻き込む血みどろの後継者争いが行われ――】
【圧倒的な武力を持つ 新たな皇帝が誕生した】
【ガイゼル・ヴェルシア】
【どんな絶望的な戦いも勝利に導く天才】
【剣に槍 弓 体術】
【あらゆる武芸を極め】
【何者をも恐れぬ傲岸不遜な君主】
【畏怖を込めてつけられた あだ名が】
【氷の皇帝――】
「おい」
《今日もツィツィーが可愛い》
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