アレンとドラン　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

『中山 麗奈(なかやま れな) ２６歳』

『彼氏いない歴 そのまま年齢の私が』

『なんでこんなことになってるの――！？』

『話は今日の昼にさかのぼる――』

「麗奈 今年の新人どう？」

「う～ん 男の子はいいけど 女の子はどうも…　な～んかキャピキャピしてて」

「総務課も大変ね 先月も女の子ひとり辞めたでしょ？」

「３月だったしね 人事異動の準備で忙しい時期なのに！」

「残業続きで 毎日ほんと大変」

「って 話題変えよ！ 食欲なくなる！」

「そういえば杏子 お兄さんとはうまくいってるの？」

「まあ平穏無事ってとこかしら」

「…あ！ 噂をすれば」

「専務～」

「秘書の須崎さんも一緒よ」

「ニューヨークから戻ってきて ますますステキになったわね」

『やっぱモテるなあ…』

「うっわ めんどくさ こっち来るわ」

「杏子～ お兄さんなのに厳しすぎ」

『杏子のお兄さん 長谷部 俊(はせべ しゅん)は 大企業「ハセベ」の専務』

『容姿端麗で仕事もでき さらに正確も良いらしい』

「苦手なのよ 完璧すぎて　　異母兄妹だし」

（杏子は社長秘書だし なんてハイスペックな兄妹…）

「隣 いいかな？」

「え…」

『わ…私！？』

『なにこのキラースマイル』

「…僕の顔に何かついてる？」

「いっ…いいえ」

『だめ 正視できない…！』

クスッ

「早く食べないと パスタ冷めちゃうよ」

「じゃ 食券買いに行くか」

『この人…』

「――ああ」

『自分の魅力を熟知してる…』

「麗奈！」

「何ボーッとしてるの」

「まさか麗奈まで 兄さん狙い？」

「まさか！」

「か 鑑賞してるだけよ」

「だいたい 身分違いで釣り合わないし」

「鑑賞用ねえ…　身分て… いつの時代よ」

「だって専務が こたつで鍋とかつつく？　　毎日優雅にフレンチでも食べてそうじゃない」

「…あ」

「え？」

「確かにこたつは家にないけど 鍋は好きだな」

『しまった――』

「なんなら今度 杏子と３人で鍋でも食べに行く？」

「えっと…」

『そんなこと』

『そんな甘い笑顔で言わないでほしい』

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