由貴香織里さんの連載作品「天使禁猟区-東京クロノス-」の最新話が読める花ゆめAiは、毎月20日に発売です!
もくじ
21話 4巻 花ゆめAi Vol.71
出版社 白泉社/2024年9月20日 発売
エイラと外つ国の王 / 1巻 -今だけ無料-
2022年4月29日まで
「ロロン! ロロン どこ!?」
「もう…… どこに隠れているのかしら あと他にロロンのお気に入りの場所は……」
「あっ ロロン こんなところにいたのね!」
「事件が起きるよ ヒゲがザワザワするんだ」
「こういう時は必ず事件が起きる」
「今異国から お客さまが来ているそうよ」
「きっとそいつらだよ 何かよくない風を運んできたんだ」
「?」
「城内が静かだわ……」
「お客さまはもう ここを出発されたのかしら?」
「エイラ!!」
「ちょうどよかった 私と一緒に お父様のところへ行くぞ!」
「エリアスお兄様?」
「今 異国からのお客さまが来ているのでしょう?」
「お邪魔ではなくて?」
「……っ そいつらが問題なんだ」
「?」
「エイラ」
「ちょうどよかったわ 話があります お父様のところへいらっしゃい …… エリアスも」
「……」
「はい お母様」
「来なさい」
「二人とも」
「お父様 ロートフェルゼからの使者が来たそうですね!」
「あ ああ 今しがた城を発たれた」
「知っています 城中の人間が その話をしています」
「……まさかロートフェルゼは我が国の姫に縁談を持ち込んだのではないか と」
(私に異国から縁談が……!?)
「エリアス そのことを王妃(リディア)と話していたところだが……」
「お父様! エイラはまだ15ですよ!?」
「エリアス! お父様はエイラにお話があるのよ 少しお黙りなさい」
「……これ以上 戦争を続けるわけにもいくまい」
「ロートフェルゼとの戦線はじりじりと 我が国ゴルトフルーエを蝕んでいる」
「北の小国だったロートフェルゼは いまや破竹の勢いで隣接する国々を脅かし このまま戦い続ければ グランツフォレア半島の半分以上が ロートフェルゼの領土になりかねん」
「和平のしるしに ゴルトフルーエの王女を差し出せと?」
「承諾なさったのですか!?」
「エリアス お相手はロートフェルゼの次期国王の王子よ この国には また平和が戻り エイラは一国の王妃になる」
「願ってもない縁談なのよ」
「あなたは自分の双子の妹を 嫁ぐにはまだ幼いといいますが 私がこの人(イデオン)に嫁いだのは16の時でした」
「エイラにも 王家に生まれた以上 外つ国への輿入れは覚悟するよう言い聞かせてきました」
「……私がなぜ反対するのか お父様もお母様も ご存じのはず」
「ロートフェルゼの噂…… 耳に入っていないはずはないでしょう」
「噂にすぎん」
「あの城に入った娘は戻ってこないと 皆恐れています!」
「歴代何人もの娘が 嫁いで以降 姿を見たものはいなかったとか……」
「いい加減にしないか! …… エイラの前で やめなさい」
「……」
「不幸な出来事が重なって 噂に尾ひれがついたにすぎん」
「おそらく 娘たちの体に嫁ぎ先の北国の寒気が障ったのだろう 私とて最愛の娘を 断腸の思いで送り出すのだ……」
「……それでロートフェルゼは エイラの何を気に入ったのですか?」
「先方の花嫁への要望は一つだけだ 美姫であること」
「!!」
「美しければ他のことは どうでもいいと!? 馬鹿にするにも ほどがある!」
「先方の王子は なかなか結婚に踏み切らず 王と王妃も手を焼いているらしい」
「世継問題もあるからな 当然だろう」
「それで美しい姫をあてがえば その気になるのではないかと? 何様のつもりだ」
「王子様だぞ」
「エイラ 王子の肖像画をいただいたから御覧なさい」
「運んで」
《ザッ》
「ロートフェルゼの王子 アロルド様よ」
「……!!」
「私も驚いたの ねぇエイラ 素敵な方で本当によかったわ」
「……は はい お母様……」
「なんて美しい方……」
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