この作品は集英社発行の「クッキー」に、不定期連載という形で掲載されていました。
作者は「姫ちゃんのリボン」などでおなじみの水沢めぐみさんです。
主人公である品川みくが高校を卒業するまで話は続きますが、やはり1巻が一番面白いです。
品川みくは地味な女子高生で、クラスメートで人気者の渋谷悠介を好きですが、告白などする前から諦めムードです。
そんなみくを見かねたクラスメートの祐天寺がとある行動に出ます。
この祐天寺は表面的にはみくと軽口を叩きあっているように見えて、肝心なところで助けてくれたりする存在です。
水沢めぐみさんの作品はキャラクターが個性的で面白いです。
その祐天寺が、みくが渋谷に告白するきっかけを作って、渋谷もみくと付き合うと言い出します。
みくと渋谷はぎこちなく2人で帰ることになりますが、渋谷がキスしようとしたところ、みくが恥ずかしがって顔を隠し、結局地味でパッとしない自分は渋谷くんと付き合えない、とみくは殻に閉じこもってしまいます。
この前後では他のクラスメート、ギャルグループの大崎などに渋谷と釣り合わない、など色々言われて、読んでいて辛くなったシーンです。
同じ地味グループの友人であるごっちん(五反田)やたまちゃん(田町)に慰められても、みくは塞ぎこんでしまいます。そこで祐天寺がみくに、まつ毛を上げるためのビューラーをプレゼントします。
その時の、「品川は今まで、可愛くなろうと努力したことないだろ。うじうじくよくよするのは、とりあえず努力してみてからでいいんじゃないか」という祐天寺のセリフが印象に残っています。
そこからが少女マンガらしい展開というか、みくが髪の毛を切ってかわいくなって、偶然会ったクラスメートでオシャレなグループの目白麻美や大塚香里に教えられて本当にかわいくなって登校します。
この時にクラスメートも驚いていて、高校デビューや2学期デビューのような感じで微笑ましかったです。
自信のついたみくはもっとかわいくなって、今度はきちんと渋谷くんに告白しようと思いますが、麻美や香里と親しくなってこれまで仲良かったごっちんやたまちゃんとは溝ができたり、渋谷くんとも微妙なことになったりと、一筋縄ではいかない展開に一喜一憂しながらページをめくりました。
みくや祐天寺はビューラーのことを魔法のビューラーと呼んだり、その辺りはやはり「姫ちゃんのリボン」の作者らしいなと思いました。
この作品が掲載されていた「クッキー」には他に矢沢あいさんの「NANA」が連載されていて、女子高生や大人向けなのですが、「キラキラ100%」のコミックは小学生によく売れていたと聞いたことがあります。
ちなみに、品川や渋谷や五反田などキャラクターの名字は山手線の駅名から付けられています。