花の散るらん　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『転生して魔女になったのだから、』

『適度に能力を使いつつ、　気ままなスローライフを送りたい。』

『と、思ってたのに――…』

「あっ、帰ってきた！」

「………」

「おいミヤ、いつまで人間界にいるつもりだ！」

『魔王と、』

「あなた一人で魔界に帰ればいいでしょう。」

『聖騎士と、』

「二人とも もう、お師匠さまに構うなよ！」

『弟子が、』

『自由にしてくれそうにありません…』

『遡ること 数年前』

「――あら、　ようやく お目覚めね。」

『…誰。』

「生まれたてにしては しっかりした目つきをしている子ね。」

「喋れる？」

『え？』

『“生まれたて”？』

「小さな お嬢さん。」

「おたんじょう おめでとう♡」

『ここは―――…！？』

『私は 橘樹美也。』

『とある会社で 秘書としてバリバリ働いていた。』

『――はずだったのだが…』

（…子供になってる。）

（容姿も別人だし。）

「珍しいわあ。」

「生まれたての魔族って普通、　もっと不安定な形してるのに。」

『魔族？』

「あの… あなたは？」

「私は魔女のヒイラギ。」

「森を散歩してる時、偶然あなたが生まれる瞬間に居合わせたの。」

『…ちょっと展開についていけない。』

（なんで私 こんなことになってんだっけ？）

（夢か？）

「――とりあえずぅ、」

「生まれたばかりじゃ 右も左も分からないでしょ。」

「誕生の瞬間に立ち会えたのも 何かの縁だし、」

「一緒に来る？」

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