蘭那さんの連載作品「いえない恋はキス色」の最新話が読める別冊フレンドは、毎月13日に発売です
同時配信の電子版が便利でオススメ!
もくじ
最終話 2巻 別冊フレンド 2024年6月号
出版社 講談社/2024年5月13日 発売
北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし / 1~3巻 -今だけ無料-
2024年2月15日まで
フッ フッ フッ
ダァァァ…ン
【数ヶ月前―…】
「失礼、」
「今夜はどちらのお国からお越しなんですか?」
「まぁ、ふふ」
「隣町からですわ そんなに遠くないわ」
「あら」
「見慣れない髪色ね、ご出身はどちら?」
「!」
「あぁ これは…」
「お嬢様!」
「……」
「お止めください! あの者は例の“雪男”ですよ!!」
「まぁ!」
きっ
「……」
はは… 「あーぁ、胸が大きかったのに…」
「バカ、嫁は真面目に探せ リツハルド」
「無理だよ 毎年毎年 望み薄いもん」
「おいおい 去年の子はどうしたよ? いいカンジだったじゃん。」
「婚約破棄だよ コンヤクハキ!」
「ついては来たけど やっぱりやめるって!」
「“辺境の雪男”さんも大変だな、 リツハルド」
「その呼び方やめて。」
『「辺境の雪男」こと』
『俺、リツハルド・サロネン・レヴォントレット』
『俺が統治しているレヴォントレット領は』
『一年の半分が雪に覆われている、』
『という過酷な地だ』
『「サロネン」とは』
『「深い森の人」という意味』
『冬の厳寒期には太陽が昇らず』
『春夏秋も うっすら寒い』
『村にはこれといった娯楽もなく』
『年々人口も減り続けているという寂れた地』
『あるのは鬱蒼とした森と どこまでも広がる空』
『そしてトナカイ達…』
『でもそれだけじゃあ生きてはいけない』
「見て! 辺境の雪男よ! 今年も来ているわ」
「毎年女性を自国へ連れ帰っては 新しい女を求めて夜会へ来ているんですって」
「まぁ、嫌だ」
「……」
「決してついて行ってはダメよ、 酷い男に違いないわ」
(……逃げられたんだって)
「ははは! めちゃくちゃだな」
はあ…
「もうさリツ、お前はあの地域に耐えられるようなガッチリした嫁を探して帰れ」
ガッチリ
「……」
「ヤダよ そんなの。」
にやにや 「はは、今年も独り身確定か?」
「やかましい。 お前こそ。」
「キャー ジーク様、ご結婚なさるって本当ですかッ?」
「いやーッ」
「!」
ざわッ
いやー
「うわ すごいッ 女の子 爆釣りしてる!」 見て!!
「あぁ」
「「紅蓮の鷲」だよ」
「グレンのわし??」
「そ、 見ろよ あの勲章の数々 いわゆるエリート軍人さ」
「軍人? それにしては線が細くない?」
「リツ 知らないのか 彼女、女だ」
「女ッ?」
「あはは… 珍しいな、こんな夜会でお目にかかれるとは」
「仕事ひと筋だって聞いていたけど」
「ようやく腰を落ち着ける気になったのかな?」
ぱちっ
『…灰色の…』
『刺すような瞳(め)―…』
ふらっ
「あ、オイ」
「リツ?」
『なんて…』
『綺麗な女性(ひと)だろう―…』
「あの」
「俺と結婚してください」
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