圏外バケーション　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『母が再婚した』

『家族が増えた』

『２６歳の私に』

『１３歳年下の弟ができた』

『これは』

『私たち２人が　　姉弟(きょうだい)になっていく話』

「君がナツくん！？」

「はじめまして 私 トーコ！」

「よろしくね！」

ギロリ…

「よろしくお願いします…」

『睨まれた！？』

「…」

「…」

「ナツ～～」

「ちょっと 手 貸して～」

「うん」

クルッ

（あ　　襟がめくれてる）

（直してあげよ…）

そお…

「！？　　何ですか！？」

キッ！

『ひ――っ！！』

【数週間後】

「若い子 怖いです…」

「弟の話？」

「中１だっけ？ いーじゃない かわいい少年と触れ合えて～♪」

「い… いや…」

「年の差も１３歳となると 共通の話題もないし…」

「２人っきりで ご飯食べる時なんか　　静かすぎて 場が宇宙空間に…」

「２人きりで ご飯？　　弟は 親の新居に住んでて お前とは一緒に生活してないんじゃ…」

「普段は そうなんですけど…」

「週１回は ２人っきりの時間が欲しいの♡」

「――という両親の希望で」

「週に１日だけ 私のアパートに弟を泊めてあげることになってまして～～」

『別に　　夕飯用意したり 泊めてあげるのは 全然いいんだけど』

『ふと目が合うと』

『こっちを睨んでて…』

『――――ナツくんは 私と過ごすの　　嫌なんじゃないかな…』

「だから 毎週水曜は ちょっとだけユーウツで…」

「「「ん？」」」

「ちょっと待て 弟が来るのって 毎週水曜日なのか？」

「え？　　はい…」

「…」

「え…　　今日って 何曜でした…？」

「水曜」

「失礼しますッ！！」

「大丈夫か アイツ…」

『何やってんだ 私～～～ッ！！』

ギン！

「おかえりなさい トーコさん」

『睨んでる――っ 怒ってる――っ』

アセ　　アセ

「ごめんねっ　　今 鍵…」

カシャンッ

「あっ」

ゴッ

「…くぅっ……………………」

「ごっ ごめん 大丈夫…？」

「僕の方こそ」

フ～～ッ‥　　フ～～‥

「余計なことして すみません…」

『キャアアアア！！　怖い！』

「待っててね！ すぐ夕飯 用意するから…」

『どうしよう…』

『頭イタい…』

ズキ ズキ

『ぶつかったせいじゃないなコレ…』

『お酒は１杯しか飲んでないんだけどな…』

「トーコさん 今日」

「お酒 飲んできました？」

ドキッ

「へっ？」

「アセトアルデヒドの臭いがします」

ゴソ…

『！？　　アセ…え？』

『待って！？』

『その左手 何を出すつもり！？』

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