栗美あい先生/雪村花菜 先生の連載作品「紅霞後宮物語〜小玉伝〜」の最新話が読める 月刊プリンセス は、毎月6日 に発売です
同時配信の電子版が 便利でオススメ!
もくじ
最終話 14巻 プリンセス 2022年6月号
出版社 秋田書店/2022年5月6日 発売
華の姫 茶々ものがたり / 1&2巻 -今だけ無料-
2022年7月28日まで
[「死のふは一定、しのび草には何をしよぞ、一定かたりをこすよの」]
[(訳:人間は必ず死ぬ。生きている時に何をしておこうか。自分の生きた証を、人がきっと思い出せるように生きたい。)]
[――信長が愛した小唄――]
『これは 戦国の世を駆け抜けた』
『一人の少女の物語――――…』
『―――遠いあの頃』
『父 浅井長政 母 お市のもとで育った私は』
『とても幸せな姫だった』
「お見事!」
「姉様 すごーい」
「茶々様 一本でございます!」
「茶々様 参りました さすが筋がよろしく…」
「姫様!」
「む~か~つ~く~~~!! 相馬! 今 手かげんしたであろ! ちゃんと打ち込めと言ったのに!!」
「しかし姫様です お顔にケガでもされたら…」
「だから! 茶々はよいと言ってるではないか!」
「そういうわけにはいきません 私は捨て子だったところ お館様に拾って頂いたのです 大事な姫様にケガなどさせられません」
「相馬は毎日 同じことを――」
「茶々」
「そこまでにしておくのじゃ 茶々」
「父上様」
「お帰りなさいませ お館様」
「うむ」
「それより 茶々 そなたは姫なのじゃ 剣術などやる必要は… 何より守り役の相馬がおるというのに…」
「ふん 何が相馬じゃ」
「父上様が怖くて何もできぬ相馬など腰抜けじゃ! おらんくてもよいわ―――」
「これ!」
「え 明日 叔父上様のところへ?」
「そうじゃ 信長様の元へ 茶々も参るか?」
「ゔゔ~~ …茶々はあまり叔父上様は好きではありませぬ…」
「あたしもー」
「おや どうして」
「だって!」
「叔父上様は鬼と呼ばれております 目もギロっとしていて… 前にお会いした時も にらまれたし! 人を食うとも聞きました!!」
「うそっ」
「あ――… 目つきが悪いのは元々よ」
「これこれ そんなことを言うてはならんぞ そなた達の母の兄上様じゃ」
「茶々だって万福丸が鬼と呼ばれたら悲しいであろ?」
「大丈夫じゃ!」
「だって万福丸は かわい――いお子じゃ♡ 鬼になどならぬ♡」
「父上様のように強く優しい武士になるのです!」
「そうかそうか 父のようにか では茶々は お市のように美しく立派な女子(おなご)に育たねばな」
『父上と母上は叔父上様が決めた政略結婚とかいうので一緒になったらしいけど』
『でも幸せそうで』
『茶々もあんなふうになれたらいいな―――…』
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