梅田阿比さんの連載作品「クジラの子らは砂上に歌う」の最新話が読める ミステリーボニータ は、毎月6日 に発売です
同時配信の電子版が 便利でオススメ!
もくじ
最終話 23巻 ミステリーボニータ 2023年2月号
出版社 秋田書店/2023年1月6日 発売
異世界から聖女が来るようなので、邪魔者は消えようと思います 2023年1月10日まで1巻まるまる無料
「――遠路はるばる我が国へようこそ」
「グランカルストの姫君」
「私はこの国の王太子」
「ウィリアム・フォン・シャンゼルです」
『―――かっ』
『顔が良い…!』
『そしてこの ひだまりのような声も…』
『前世から聞かされてはいたけど… かっこいい』
『って見惚れてる場合じゃない!』
『この人に… この婚約者に惚れないと決めたんだもの』
『私はこの後 上手く立ち回らなければならない』
『でなければ』
『この人に婚約破棄を言い渡されて』
『暗殺されてしまうのだから――!』
『それは遡ること数週間前』
『唐突に私の人生が変わった日のこと――』
「ふふふ」
「今日も元気よく育ってるわね…」
「えらいわ 私の愛しい子たち」
「ヨモモちゃんとダミーは相性もいいし今回は一緒に売りましょう エルディは花粉症が流行する今の時季たくさん買ってもらえるわよ アローは今後の生長に期待するとして… トリッキーは薬用と毒用どっちに使おうかしら」
『私―― フェリシア・エマーレンスは』
『大国グランカルストの第二王女… 王族なのだけど』
『この荒れ果てた離宮で侍女もメイドの使用人のひとりもなく暮らしている』
『四人いるきょうだいは昔から私に数々の嫌がらせをしてきた』
『初めはやられたら やり返していたものの』
『嫌がらせの原因が ただひとり側室の子というどうしようもない理由だと知り反抗もやめたのだ』
(というか相手するのが面倒になったのよね… あまりに幼稚すぎるわ)
『それからこの離宮暮らしを強いられ今に至るのだが――』
(母も病で亡くなってしまっていて ひとりだけれど…)
『楽園…!』
『ここは宝物庫!』
『廃れて幽霊の噂まで流れるほど気味が悪いとされているけれど』
『薬草やハーブの宝庫なのよ』
(異母姉に毒を盛られたときは かなりの苦痛だったけど)
(おかげで毒の知識が身についたし育てた植物を売って貯金までできるようになった)
「なにより今は この子たちが愛しくて仕方ない!」
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