三日月まおは性別を選べない　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『きょう』

『わたしは』

『結婚します』

『よく』

『しりもしない』

『この男と――――…！』

『つい二週間まえは』

『ふつうのＪＫだったのに…』

「紗凪――！！　　見て これ 新ソシャゲ！！」

「キャラ全員 王子なんだよ――！！」

「シナリオが すっごいよくて～～　　めちゃきゅんきゅんすんの！！」

「おお～　よかったね～ かなっぺ」

「じつは わたしも きゅんとすることあったよ！」

「え！！ なに紗凪 好きな人でもできた！？」

「ふっふっふっ あのね…」

「見て！！ 八月のバイト代はいったの♡」

「店長がちょっとボーナスしてくれたみたい～ 神か～♡」

『…紗凪さぁ いちおう ＪＫなんだからさ　　バイト代よりも ホラ…恋とか…」

「恋はお金になりません」

「ワオ 即答～☆」

「かわってるよねぇ…」

「おーい　休みあけの実力テスト 返すぞー　　吉野！」

「はいっ」

「一学期にひきつづき 実テも一位だったぞ　　よくやったな！」

「ほ ほんとですか！」

『ヤッタアアア』

『来年も特待生(学費タダ)に王手――！！！』

「……」

「なーんで そんなお金に こだわるかね～」

『なぜかって　　それは』

『生きていくために決まってる』

「…よし　　このペースなら今月は 先月より かなり節約できるな～」

「学校あると昼ごはん代うくから楽だわー」

「ねーちゃん ゴハーン」

「おお～～！」

「ありがとう！　萌黄の節約飯のおかげで相当たすかってるよ～」

「いやいや ねーちゃんの しきんうんよーのおかげだし」

「ただいまー」

「おとーさん！」

「きょうは ハロワどうだった？」

「なかなか むずかしいなぁ」

「そっか…」

『むかしは ちいさな会社を経営してたお父さん』

『不況のあおりで倒産』

『いまも借金が のこってる』

「そいえば　きょう 卒業アルバムの写真とった」

「もう そんな時期！！」

「そっか… 来年は もえ 中学生だもんね」

『お母さん』

『見たかっただろうな…』

「ねーちゃんみたいに とくたいせーじゃなくて ゴメン…」

「そんなのいーの！！ 塾にだって いけるようにしてあげるから！！」

「父さんも がんばるからな！」

「はやくつぎの仕事 見つけるぞっ！」

「家族三人 力を合わせれば だいじょうぶだよ」

「がんばろ――！！」

『よぉ～～し』

『かせぐぞ―――！！！』

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