※ネタバレ注意です※
終わって欲しくない、終わって欲しくないけれどとうとう最終巻です。
話は主人公の笠原郁が作家・当麻先生の亡命作戦の途中。
長野サービスエリアで休憩をしている所から始まります。
心配な事、不安な事が山程ある中での郁と当麻のコミカルなやりとりは前巻からの緊迫感の中本当にほっとさせられました。
大阪に向かい領事館へ駆け込む為に郁は必死で考え行動します。
良化特務機関から当麻を守る為の郁の行動は以前と比べ物にならないくらい立派なもので、彼女の成長に嬉しくなったりもしました。
途中親切なデパートの店員に助けられてなんと当麻が女装。
二手に分かれて郁はダミーの領事館で発砲騒ぎを起こし良化特務機関と戦闘になりながらも、当麻の本命の領事館への駆け込みを無事に成功させます。
それもそのはず、無い知恵を絞り柴崎に宛てたメッセージがしっかりと関東図書隊の仲間達に届いていた為、様々な形で援護の手をまわしてくれていたのです。
任務終了後玄田隊長と連絡をとった郁は話の最後で言葉に詰まりました。
作戦の途中に負傷し別れた堂上。
逃亡最中も何度も頭を過ぎりながら必死に耐えてきた想い、彼の安否について訊きたかったのです。
無事だったと知り郁の頬を涙が伝いますが、早く会いたいという思いと裏腹に今回の件の報告や通常業務が重なり入院中の堂上の顔を見る事も叶いません。
そんな中国際世論、国も動きとうとう当麻は自由の身となりました。
彼はもう亡命する必要も無いのです。
図書隊が勝った!と思える瞬間でした。
郁の発砲の件も始末書提出で済み、やっと堂上に会える日がやってきます。
そこからは……もう、私なんかが言葉で表すなんて烏滸がましい、勿体無い!と思う程甘く切なく嬉しい展開でした。
やっとこの日がきたのだと、読者の皆さんが思う事でしょう。
そして数年後、関東図書基地には相変わらず「鬼の堂上教官」が存在します。
但し、女性教官ですが。
最高に楽しい15巻でした。
本当に読めなくなるのが残念、と思っていたら巻末に「別冊編」のお知らせがあり、もう少し図書隊の皆を見られるのだと嬉しくなりました。